原生自然の中に残る貴重な生き物

whitley_awards10_akon01.jpgイギリスで1994年に始まったウィットリー賞。優れた自然保護活動を行った人や団体に贈られる賞です。今回は、パプアニューギニアの原生保護活動を行って2010年の同賞を受賞したマシュー・エイコン氏の活動をご紹介します。

whitley_awards10_akon02.jpgエイコン氏は、トリチェリ山脈の生まれ。ここは、人手が加わることが少なく原生の密林がまとまって残っている場所で、動物や植物の固有種や独自の文化が残されています。そこで育った氏は、動物相の破壊を目の当たりにし、地元では貴重なタンパク源として乱獲され、減少したテンキーレ(スコットキノボリカンガルー)を守ることから活動を開始します。そこで、地元に暮らす人たちに豊かな熱帯雨林がいかに大切であるかを説き、テンキーレの代わりとなる新たな生計手段を提示していったのです。
初めは13の村から人を雇いテンキーレの調査に乗り出しましたが、現在は39の村から毎年100人以上の雇用を生み、テンキーレだけではなく他の絶滅の危機にある動物の保護にも取り組んでいます。活動をサポートした人の数は1万人を超えました。いかに地元の人たちに熱帯雨林の大切さが浸透していったのかがわかります。

whitley_awards10_akon03.jpgこの賞を受賞なさった方たちの活動を拝見していると、本当にとても小さな一歩をきっかけに壮大な結果を生み出しつつあります。
どんなことでも小さな一歩から、少しずつ歩みだしていきたいものです。

【参考サイト】
ホィットリー賞の”マシュー・エイコン氏”受賞理由のHP。
http://www.whitleyaward.org/display.php?id=161

Conservation International Japan のHP。
原生自然地域について詳細な説明があります。
http://www.conservation.or.jp/Strategies/Wilderness.htm