生物多様性に支えられる私たちの暮らし-Countdown2010

iucn_countdown_2010.01.jpg 2010年はいよいよ国際生物多様性年。2002年、生物多様性条約締約国会議(COP6)において「2010年までに生物多様性を食い止めよう」という「2010年目標」が採択され、世界各国で生物多様性の維持に取り組んできました。 また、世界が協調して「2010年目標」を達成できるよう国際自然保護連合(IUCN)により立ち上げられた「Countdown 2010」は、各国の政府・地方自治体・NGO・実業界などをつなぐ国際ネットワークとして活用されています。

iucn_countdown_2010.04.jpgさて、「Countdown 2010」が製作したこの動画では、木・魚・ミツバチ・カエルのキャラクターが「生物多様性が私たちの生活とどのように関連しているのか?」についてわかりやすく解説しています。ご存知のとおり、樹木は大気中の二酸化炭素を吸収し酸素を排出することで地球を温暖化から守り、ミツバチは植物の授精に不可欠な生物であることから私たちの食にも大きな役割を果たしています。また、植物の成分は私たちの健康と生命を維持・増進する医薬品などに応用されている一方、水中のプランクトンから魚へとつながる食物連鎖は、私たちの食生活とも密接に関わっています。このように、多くの生物種がそれぞれの環境に応じて相互に関連し合いながら多様な生態系を形成し、地球環境と私たち人間の生活を支えているのです。

iucn_countdown_2010.03.jpgしかしながら、近年、かつてないスピードで生物多様性が喪失しています。しかもこの原因のほとんどは過剰な開発や乱獲、外来種の持ち込みといった人間の活動によるものだとか。数多くの生物が絶滅の危機に瀕し、生物多様性が脅かされることは、地球環境全体のシステムを将来にわたって失ってしまうことでもあり、この動画では「今こそ地球の生物多様性を守るために行動するべきだ」と訴えています。
生物多様性への取り組みは「2010年目標」のような政治レベルでの取り決めも重要ですが、私たちひとり一人が生物多様性の大切さを認識し、この保護に向けた行動を積み重ねていくことも不可欠なこと。こちらの動画をご覧いただき、ご自身の生活と身近な生物とのつながりを改めて感じてみませんか?紙のリサイクルによって救える樹木、生活排水を削減することで守れる河川など、ちょっとした行動から生物多様性の保護に貢献することができるはずです。

執筆:松岡由希子
[関連サイト]
•Countdown 2010公式ウェブサイト(英語)
「Countdown 2010」の活動内容や生物多様性に関するレポートなどが掲載されています。
http://www.countdown2010.net/