絶滅の危機~アジア象を救え!

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今回、映像に登場するアジア象は、数年前から絶滅が危惧される動物の個体数を増やすなど、公園の生態系を守るための活動を行っているIFAWとWTIによって、世界遺産であるマナス国立公園に放たれた時の映像です。
この団体は、サイを自然に返した時の映像でもご紹介したように、リハビリテーション施設を設立し、野生動物を保護し野生に返すことに成功しています。
では、アジア象の実態は、どうなっているのでしょうか?
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現在、野生のアジアゾウは約35,000~45,000頭、それ以外にアジアでは10,000頭近くが飼われているといいます(IFAWウェブサイトより)。そのうち約30,000頭がインドにいると推定されます。
アジアゾウは1975年に絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約(CITES)、通称ワシントン条約が発足した当初から附属書Iに掲載されています。アジアゾウは現在でも、密猟の他、国内全域において人間とゾウとの間で激しい摩擦を引き起こす生息地の分断のせいで絶滅の大きな危機にさらされているといいます。
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この問題解決への取り組みとして注目したいのが、野生生物の「回廊」、つまり点在する生息地から別の生息地へゾウが移動するための細長い土地の確保です。土地を確保する際、既に暮らしている村の人々はどうするかなどの問題もあるそうです。
元々あったものを開拓し、壊してしまったのは、私たち人間。今、この地球上で、私たち人間と野生動物の共存を考えることは、当たり前の責任なのかもしれません。