食べ物の来た道〜こども調査隊

soil_association02.jpg今回紹介する番組は、約20分の大作です。時間を聞くと長く感じるかもしれませんが、見始めるとあっという間です。というのも、この番組のテーマが「食べ物」をめぐる問題だから。そして、その問題を調査し、対策を見つけ出しているのがイギリスの子どもたちが演じる調査員という設定になっており、誰が見ても熱中し、納得できるドキュメンタリードラマになっているからです。

番組は、ボスと3人の調査員が集まり、調査員がボスから課題を聞く場面から始まります。そこで明かされるのは「世界中がイギリス人と同じ食生活をしたら、地球が3個必要になる」という事実。これを1個分で足りるようにするにはどうすればよいのか調べ、対策を考えるのが課題で、それぞれの調査員に課題が出されます。
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1人目の調査員アデッシュへの課題は、リンゴがどこから来ているかを調べること。アデッシュはこの課題を調べるためにスーパーに行き、リンゴを購入。その多くが外国産であることに驚きます。原因は、みんなが1年中リンゴやバナナなどを食べたいから。なんとイギリス人が食べる果物の10個のうち9個が外国産のものだという恐ろしい事実も判明します。

2人目の調査員ルーイへの課題は、ソーセージの材料となる肉がどんな肉で、どこから来ているか調べること。すると、多くのブタやニワトリがせまい小屋で集約農業の方式で外に出ることもなく育てられていることが明らかになります。その理由は安い肉を流通させるため。

3人目の調査委員ジョセフィーヌへの課題は、インスタント食品の材料を調べ、かわりにそれを自宅から50マイル以内の地元産の材料を集めて作ること。ジョセフィーヌはインスタントのピザを調べるために食品の製造会社に電話をし、その材料が世界中から集められていることに驚きます。そして、地元産の材料を集めようとするのですが・・・。
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それぞれの調査員が驚くべき事実を知り、そこから自分たちができることを探し、見つけるまでのストーリーを丹念に追っていて、知らないうちに自分も現場にいる感覚で応援したくなります。また、事実を突き止めるのも、解決策を探すのも、すべて入念な取材に基づいているので納得できます。子どもも大人も楽しめ、これから自分たちができることも分かる番組です。番組を観て気に入った方は、ぜひ家族、友人、知人にもおすすめしてみてください。

執筆:阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● The Soil Association(英語)
今回のドキュメンタリードラマの制作に関わった、イギリスの環境団体。持続可能なオーガニック農業を提案しています。今回紹介されたオーガニック農業などについて詳しい情報を知りたい方は、訪れてみてください。
http://www.soilassociation.org/