モルディブの伝統漁法~カツオ一本釣り

greenpeace_maldives02.jpg日本で刺身と言えばまずツナがあがるのではないかと思います。世界のツナ消費量の6割を日本が占めていると言われます。ツナと言えば、大間の一本釣りが有名ですが、モルディブでも古くから一本釣りが行われています。

ご覧いただくVTRは、モルディブの漁師がツナの一本釣りをする理由を通して、世界中で人気が高まるツナが各国で乱獲され、数が減りすぎている状況を浮き彫りにします。

greenpeace_maldives01.jpgモルディブでは、観光に続く収入源として漁業があげられます。VTRによると、漁師たちは釣った魚の利益を平等に分配しています。仕掛けた周辺の魚を一網打尽にする方法では、狙っているマグロと一緒に泳いでいる稚魚やサメまでも捕って無駄になる上、捕り過ぎるとこの先マグロが捕れなくなることも見据えているから、モルディブの漁師は一本釣りでちょうど良いサイズのツナだけを持ち帰るようにしているのです。また、漁の収益を漁師が平等に分配する方式をとっていて、全員が等しく生活できるようなシステムになっています。

ところが、近年のツナ人気の上昇で、外国船団がわざわざ遠方の海域まで出漁し、安いコストで販売するので、手間はかかるが地球に優しい方法で漁をしているモルディブのツナは苦戦を強いられているのです。

greenpeace_maldives04.jpgモルディブ産のツナを使った缶詰を販売するイギリスの業者が、「小売業者は、商品が正しい方法で作られているのかにもっと目を向けて販売するべきで、購入する人が商品を正しく買うかどうかに任せてはいけない」と力説します。
あとからどんなに迷惑がかかろうと、便利で安ければそれでいいという考えはもう捨てるべきです。私たち消費者も、一つ一つの商品が一体どのような過程を経て販売されているのかに目を向け、一番最初に苦労をして商品をルートに乗せている人に利益が渡るよう、そして地球環境が未来にわたって維持できるよう考えて購入しなければなりません。モルディブの、全員が利益を得るべきという考え方を「地球上のすべてのものが利益を得るべき」という考え方に発展させたら未来は開けるのではないでしょうか。

執筆:小田原由花

【関連Webサイト】
●WWF JAPANの「持続可能な漁法について」のHP
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/index.htm

●遠洋水産研究所かつお研究室のHP
http://www.jfa.maff.go.jp/kokushi_hp/H14genkyou/H14syosai/27SKJ-Ind.pdf