生物の宝庫~クロアチア鍾乳洞の秘密

whitley_jana002.jpgホワイトリー賞は、Whitley Fund for Nature (WFN)という世界中で自然保護活動をおこなう個人に対して寄付やサポートをおこなうチャリティー目的の基金が毎年主催している、優れた自然保護活動をしている人への賞です。今回の番組は、ホワイトリー賞を2011年に受賞した、ヤナ・ベダックさんの活動の紹介です。

ヤナさんの活動の舞台は、アドリア海に東に広がるジナリック・アークという地域。イタリア、クロアチア、アルバニア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、コソボ、セルビアの8か国にまたがる、印象的な山々や多くの鍾乳洞のある生物多様性の豊かな地域です。特に鍾乳洞には世界でもここでしか見られない珍しい生物の宝庫。まだ発見されていない生物も多数いるそうで、その実態は謎に包まれています。

しかし、近年の開発や環境汚染により、洞窟、その中に住む生物が絶滅の危機に瀕しています。そこでヤナさんは、自身が代表を務めるCroatian Biospeleogical Society (CBSS)で、それまで地域ごとだった保護活動をまとめるために奔走。8か国の専門家を集め、知識や情報を共有できるようにしました。また、地元住民から洞窟の入り口や昔から伝わる情報を集め、記録したり、洞窟を保護していく必要性を訴える啓蒙活動をおこなっています。2分程度の短い番組なのですが、活動の内容がよく分かるので、見てみてください。

執筆:曽我 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● ホワイトリー賞(英語)
今回の取り組みを紹介しているサイトです。
http://www.whitleyaward.org/display.php?id=171

● Croatian Biospeleogical Society (CBSS)(英語)
今回紹介した団体のサイトです。
http://www.hbsd.hr/index_eng.html