10万人の生活空間の確保を目指すロシア

ecotrek16_russia002.jpg世界最大の国土を有するロシア。しかし、その多くは厳しい気候条件ゆえ、必ずしも生活環境に恵まれているとはいえません。現在、ロシアでは、世界の他の国々と同様、数多くの環境問題に対処すべきなのはもちろんのこと、より多くの人々が快適に生活できる、持続可能型の居住スペースを増やすことも、大きな課題となっています。

水素燃料電池自動車が全行程3万キロをドライブする世界一周の旅「Mercedes-Benz F-CELL World Drive」も、およそ5ヶ月が経過し、いよいよ終盤。「Eco-Trek 16: Russia’s way to greener future」では、ロシアで現在進行している、持続可能型の都市づくりの事例などを採り上げています。

現在、ロシアでは、多くの建築家の努力によって、持続可能型の新しい住環境づくりが進んでいます。たとえば、「Eco-City 2020」プロジェクトは、シベリア東部にある廃鉱となったこのダイアモンド鉱山の巨大な穴を使って、地下都市を作ろうというもの。エネルギーはすべて太陽光でまかない、10万人が生活できる居住空間のほか、農場や森も作る計画だとか。自然と調和した新しい密集型都市の建設に取り組んでいます。また、「Ark hotel」と呼ばれる、海上のスペースを利用した”浮き島”タイプの居住地開発も進行中。エネルギーや水を確保するための太陽光パネルや雨水収集システム、作物が栽培できる温室型の環境など、10万人が生活できる多目的空間を設計しています。

また、ロシアの環境改善に向けて、国際的な組織も積極的に参画しています。たとえば、世界最大の環境保護団体「世界自然保護基金(WWF)」は、ロシア国内でも大きな存在感を持ち、野生動物の保護や、森林保全、植林活動など、幅広い分野で活動しています。

環境保護や、持続可能性の追求は、地球レベルで取り組むべき共通のテーマですが、その具体的な解決に向けては、気候条件や地形、さらには、人口数や経済状況などに応じて、それぞれの国・地域に合った方策を創りだし、実装していくことが必要ですね。ロシアでのこれらの取り組みは、その大切さを教えてくれています。

執筆:松岡由希子

[関連サイト]
「Eco Trek」の公式ブログ(英語)
「Mercedes-Benz F-CELL World Drive」の旅をレポートするオンライン動画「Eco Trek」のブログです。

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