北極圏の今~温暖化の影響に迫る

wwf_catlin_final_edit01.jpgカトリン北極調査とは、北極圏の氷の保護によって、あとどれくらいの間地球が現在の状態でいられるか、北極圏の雪や特に氷の厚さ、水柱下の温度を計測することで、科学的な解明を目的とする調査です。
この番組は、カトリン北極圏ロジェクトの指導者であるペン・ハドウが、調査目的や査調方法、これまでの調査結果、およびプロジェクトで知り得た調査がどのような形で温室効果削減のために役立とうとしているか、現在の北極圏の実態を交えながら紹介しています。

wwf_catlin_final_edit02.jpg温室効果により北極圏の氷が溶けつつあることはよく知られていることですが、過去30年において、その氷が溶ける速さが加速しています。科学者の中には、これから4年の間に全ての氷が溶け、四季がなくなり、海底の野生生物体系が危機にさらされるという科学者もいます。また、海氷の現象により北極グマが100年の間に絶滅する可能性があるともいわれています。
地球の現在の状態を左右する北極圏の状態について、科学者たちは深い関心をもっています。実際、あとどれくらい北極の氷は残っており、どれくらい長く保持することが可能であるか調査し、これからの環境問題政策に役立てたいと考えているのです。

wwf_catlin_final_edit03.jpgカトリン北極圏調査は現在の北極圏の状態を科学的な数値によって測ることを目的とする唯一の現地調査です。この調査は、科学者たちと協同で行われ、北極での調査はイギリス人3名から成る極地探検チームが、1000Kmにもわたる長距離を、およそ3ヶ月間かけて徒歩で行います。調査はこれまでにない改良された装備品や優れた機器が使われており、現在の北極周辺の雪や氷の様子、気候など詳細に記録され、そこで得た調査結果は、アメリカ海軍、航空宇宙局(NASA)、世界自然保護基金、さらにケンブリッジ大学を含む国際的科学関係機関に提供されます。これらの機関による、カトリン北極圏調査の測定結果から得た発見が、国際的温室効果ガス排出削減政策の基準を決める上で有益な資料となることが期待されています。

この番組では、指導者のペンと現地調査チームのメンバーが、カトリン北極調査の重要性と、この調査が科学と人間の耐久力の結集であり偉業であることを語っています。

執筆:大森美和

【関連URL】
●カトリン北極圏調査団ホームページ
catlinarcticsurvey.com