低排出ゾーン

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2008年2月下旬、グリーンTV UKの取材でロンドンへ同行した際にふと気づいたことがありました。道を歩いている時の見晴らしの良さ。ロンドンの街から大型トラックの姿をあまり見かけなくなりました(バスは相変わらず健全でしたが)。

2003年2月に導入された渋滞税(Congestion Charge, ロンドン中心部で乗用車を運転する場合、1日に8ポンド、約1600円程度支払う義務がある)に続き、ロンドン交通のエコ政策第2段は低排出ゾーン。課税対象はゾーンとして指定されたグレーターロンドン(ロンドン市内ほぼ全体)に進入する、EU排出基準を満たさないディーゼルトラック(12トン以上)です。課徴金はなんと1日あたり200ポンド(約5万円)。課税制度は2012年に完成形になるよう、バスや軽量トラックなどもディーゼル使用の乗用車が順次対象となって行きます。企業は基準を満たすようトラックを改良するか、ルートを変えるかという選択を強いられます。
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この映像作品にも出てくる、ロンドン大学(正確にはキングス・カレッジ)の大気環境研究ネットワークが1993年より市内各地で大気汚染の測定を行っており、2005〜2006年に酸化窒素排出量が初めて平均を超えたと報告しています(ちなみにCO2は2002年から安定しているそうです)。気候変動などのニュースで大気汚染に人々の関心が集まっていると同時に、欧州都市の中でも大気環境が悪いと言われるロンドンでは健康状態への関連性も報告もされています。大気汚染と都市生活。市民、企業、政府機関が積極的に取り組まなければ市民の健康状態、そして環境が守れない状態になりつつあるようです。
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ロンドン在住中、自転車で移動していたので中心街の渋滞や大気汚染を肌で感じていました。バスやトラックの排気ガスを思いっきり顔からかぶり、鼻から吸い込み、自転車通勤とはいえ本当にどのくらい健康的なのかと疑問に思ったものです。今年から自転車通勤を始めたいと思うのですが、東京の大気汚染レベルはいかがなものでしょうか。

関連webサイト
低排出ゾーンについて (日本語ニュースサイト)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&oversea=1&serial=18114

ロンドン交通:低排出ゾーン詳細ページ(英語のみ)
http://www.tfl.gov.uk/roadusers/lez/default.aspx

ウィキペディア:低排出ゾーン(英語のみ)
http://en.wikipedia.org/wiki/London_low_emission_zone