オランウータンの森を守る医療制度

ホワイトリー賞は、Whitley Fund for Nature (WFN)という世界中で自然保護活動をおこなう個人に対して寄付やサポートをおこなうチャリティー目的の基金が毎年主催している、優れた自然保護活動をしている人への賞です。今回の番組は、ホワイトリー賞を2011年に受賞した、ホットリン・オムプスングさんの活動の紹介です。

舞台はインドネシア・ボルネオの南西部にあるグヌンパルン国立公園。豊かな熱帯雨林が広がり、多くの野生動物が森と共に生きています。中でも特筆すべきは、オランウータンの数。オランウータンが2500頭住んでおり、これは世界全体の数の10%にあたります。
しかし、この森やその周辺に住む人々はとても貧しく、貧しい人の多くは生活の糧のために違法な森林伐採をおこなっています。森林破壊が進むと野生動物、森が危機的な状況なります。そこで、NGOのASRIのホットリン・オムプスングさんは、医療を通じて森林伐採を止めるユニークな方法を実践しています。その方法とは、森林伐採がなくなった村にはASRIの診療所の診察費の特別割引が受けられるなどの方法。これにより、人々の健康状態も良くなり、森も破壊されずにすみます。また、伐採をしている人々には他の生活基盤の作り方を講義しています。

なるほど、環境保護と健康や貧困問題の解決が、医療を通じたこんな方法でできるのですね。これまでに18000人以上がASRIの医療(歯などの治療)の恩恵を受けている、とのこと。映像で見ると、よりよく分かります。ぜひ見てみてください。

執筆:曽我 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]

● ホワイトリー賞(英語)

今回の取り組みを紹介しているサイトです。
http://www.whitleyaward.org/display.php?id=174t

● ASRI(英語)
今回紹介した団体のサイトです。
http://alamsehatlestari.org/