今回紹介するのは、The Age of Stupidというイギリス発の環境問題に関するドラマ仕立てのドキュメンタリー映画の予告編です。この映画のテーマは気候変動。アカデミー賞にノミネートされた俳優、ピート・ポスルスウェイトが2055年の壊滅状態になった地球に１人きり生き残った人間に扮し、昔を振り返りながら「どうしてチャンスがあったのに、人間は自分たちを救わなかったのか？」を考えます。

監督はMcLibelというマクドナルドに関するドキュメンタリー映画を製作した監督フラニー・アームストロング。イギリスでは3月20日から公開されており、今後、世界中で上映される予定です。映画のテーマは気候変動、石油、戦争、誠二、消費主義、人類の愚かさ。ドキュメンタリー部分の撮影はアメリカ、イギリス、インド、ナイジェリア、イラク、ヨルダン、アルプス山脈でおこなわれました。

映画の中では、格安の運賃で運行する飛行機の会社を興したインドの起業家、ナイジェリアの油田の近くに住む女性、フランス人の山岳ガイド、イギリスの風力発電会社の職員、風力発電の反対運動を繰り広げる人々など、様々な立場の人々が登場します。予告編にはその断片しか出てきませんが、いろんな考え方や意見が混沌としている今の状況が伝わってきます。

映画の評価は上々。イギリスの新聞「ガーディアン」は「大スクリーンで上映される、気候変動がテーマのドラマ仕立てのドキュメンタリーとして初めて成功している」と評しています。また、ロンドン市長のケン・リビングストン氏も「この国の全ての人々がこの映画を見なければならない」と感想を寄せています。日本での公開予定は未定だそうですが、ぜひ上映してほしいですね。まずはこの予告編で映画の雰囲気を味わってください。

執筆：阿久津　美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

［関連サイト］
● “The Age of Stupid”のHP（英語）
この映画の公式サイト。ストーリーやキャスト紹介、レビューなどが載っています。
http://www.ageofstupid.net/