伝統の知恵を活用した保護活動~ウズベキスタン

ホワイトリー賞は、Whitley Fund for Nature (WFN)という世界中で自然保護活動をおこなう個人に対して寄付やサポートをおこなうチャリティー目的の基金が毎年主催している、優れた自然保護活動をしている人への賞です。今回の番組は、ホワイトリー賞を2011年に受賞した、エレナ・ビコーバさんの活動の紹介です。

エレナ・ビコーバさんはウズベキスタンにあるSaiga Conservation Alliance(サイガ保護連合)の事務総長です。サイガ保護連合は、ウズベキスタン・カザフスタンに広がる高原に生息する、絶滅の危機に瀕する野生動物サイガ・アンテロープの保護・個体数の増加を目的として2006年に設立されました。サイガはもともと多数生息していたものの、ソ連崩壊後に漢方薬目的の角の狩猟などにより激減。以前の5%になってしまいました。

この状況を打開するため、エレナさんは地元の住民を巻き込んで活動を開始。サイガの伝統的価値を再確認させたり、狩猟をやめるよう説得したり、住民参加型でサイガ保護のための監視活動をおこなったりと、地元に以前から伝わる知恵も活用しながら保護活動に取り組んでいます。番組では、サイガのユニークな姿とともに、活動の趣旨や様子が分かりやすく紹介されています。2分という短い時間ながら、活動内容がしっかり理解できます。ぜひ見てみてください。

執筆:曽我 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● ホワイトリー賞(英語)
今回の取り組みを紹介しているサイトです。
http://www.whitleyaward.org/display.php?id=170

● サイガ保護連合(英語)
今回紹介した団体のサイトです。
http://www.saiga-conservation.com/