GDPより重要なもの?~2030年の世界

fftf_age_opportunity01.jpg今回の番組は、2030年はどんな世界になっているか、未来の可能性が見える社会の内容を紹介する番組です。

シナリオを作成したのは、Forum for the Future(未来のためのフォーラム)という、持続可能な開発を目指して発足した機関です。ビジネスや高等教育機関、市町村や国の政府と共に持続可能な解決策を探し、実行しています。その活動の一環で、 The future climate for developmentというプロジェクトを立ち上げ、低所得国が、温暖化からどんな影響を受けるのか、2030年の世界を4つのシナリオで紹介しています。

fftf_age_opportunity02.jpg今回紹介するシナリオは、可能性が見える社会のシナリオです。低所得国は開発において、既存の先進国のモデルではなく、太陽光発電のような低炭素のエネルギーの施設を開発、2010年からその数が急増し、2030年には世界の太陽光発電の施設の4割が低所得国にあります。そして、世界の通貨や商品の貿易には0.05%の温暖化税が課税され、その税収は数十億ドルに。税収は温暖化による被害を受けた地域の緊急時の支援や、温暖化対策に使われています。そして、低炭素エネルギーと安い労働力に惹かれ、多国籍企業が本社を低所得国に置くように。各家庭でも小規模融資を使い、ビジネスを始める人が増加。また、人々は自分たちの文化に誇りを持つようになり、世界中の人々が集まる音楽祭や映画祭が、低所得国で開催されます。

fftf_age_opportunity03.jpg明るい話題が多いシナリオですが、戦争、飢饉などの問題がすべて解決したわけではありません。でも、多くの人が未来を大切にし、温暖化の影響を受けながらもなんとか将来に希望を見いだして生きていける、というシナリオです。

なお、これは4つのシナリオの中の1つです。他のシナリオも見て、2030年、私たちはどんな未来がほしいのか、今からできることは何か、じっくり考えてみてください。

執筆:阿久津 美穂
www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● Forum for the Future(英語)
Forum for the Futureの今回のシナリオについてのHPです。レポートをダウンロードしたり、映像を見たりできます。
http://www.forumforthefuture.org/projects/the-future-climate-for-development