植物が風で運ばれてきた南の島

rangitoto003.jpg今回の番組は、自然が豊かなニュージーランドにある火山島の話題です。制作したのは、ニュージーランド国内で自然保護を担当している、環境保護庁(Department of Conservation)。オークランド近郊にある、できてから600年という若い島、ランギトト島の生態系とその魅力をたっぷり紹介しています。

rangitoto001.jpg最初に紹介されるのは、ランギトト島にどのようにして植物が定着したのか。ランギトト島は、できた時から今に至るまで、空気に乗って種子や胞子が飛んで来て、様々な植物が定着してきました。今も新しい植物が根付いており、その例として絶滅危惧種とされている在来種の人参を昨年見つけた、という話が出てきます。(ちなみにこの人参、普段食べる人参と違い、食べる部分の根っこがないそうです。でも人参だとのこと。)

rangitoto002.jpgその後、具体的な植物の定着の流れを見るべく、植物学者のマイク・ウィルコックスさんが、島の中腹にあるゴツゴツした岩肌の見える丘を案内してくれます。そこには、チリのように軽い種子が飛んできたことがきっかけで初期の頃から増えているポフツカワの木、この木の木陰や水分を使って生き延びている様々な植物があり、植物の強さが感じられる場所となっています。

特に圧巻なのは、ニュージーランド本土では木の上で育つ着生植物が、ゴツゴツした岩肌に根付き、生きている姿。どんな土地でも適応しようとしている植物の強さ、面白さが感じられます。

植物の強さを感じるとともに、ニュージーランドの環境保護庁の熱心に自然保護に取り組む姿勢が感じ取れる番組です。ぜひ見てみてください。

執筆:阿久津 美穂(Slow Media Works)
www.slowmediaworks.net

[関連サイト]
● Department of Conservation(英語)
今回紹介したランギトト島の詳しい情報が載っています。
http://www.doc.govt.nz/parks-and-recreation/places-to-visit/auckland/auckland-area/rangitoto-island-scenic-reserve/ 

● ランギトト島の情報(日本語)
日本語のランギトト島の情報です。参考にどうぞ。
http://www.newzealand.com/travel/ja/sights-activities/scenic-highlights/islands/scenic-highlight-details.cfm/businessid/63552.html