世界砂漠地帯の見通し

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地球の表面積は5.1億平方キロメートル。そのうち陸地はわずか29%の1.49億平方キロメートル。年間降水量が200mm以下の場所と定義される「砂漠」は、そのさらに約30%にあたる3,660万平方キロメートルです。国連環境計画(UNEP)のまとめによると現在、世界の砂漠は毎年6万平方キロメートルずつのスピードで広がっており、九州と四国とあわせた面積とほぼ同じ土地が砂漠化していると言われています。
「砂漠化」は、最も狭い意味では、草原によっておおわれていた年降水量が100~200ミリの半乾燥地域で、砂漠的な景観が拡大していく現象に限って用いられます。
一方、UNCOD(国連砂漠化防止会議)では、砂漠化を「土地に備わった生物生産力の減退ないし破壊であり、終局的には砂漠のような状態をもたらす現象」と定義しました。
また、国連砂漠化対処条約の第1条では、「乾燥、半乾燥、乾燥半湿潤地域における種々の要因(気候変動及び人間の活動を含む)に起因する土地の劣化」であると定義されています。
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では、砂漠化は、どのようなことが原因で起こっているのでしょうか?
砂漠化は気候による土地の劣化と、人間の行為による土地の劣化が原因と言われています。
また、最近では、人間による原因が深刻化していると言われています。
自然環境による砂漠化の原因について見てみましょう。アフリカのサハラ砂漠は大昔、緑に覆われていたという事実が調査により確認されているそうです。しかし、長い年月の間に気候が変わり、雨が降らなくなり、乾燥によって砂漠化が進んでしまった。このように、気候条件が変わり、自然の力により砂漠化してしまったということが、砂漠化の原因の一つとして数えられます。気候変動が進めば、砂漠化を引き起こす原因も大きくなると言えるでしょう。
では、人間の作用による砂漠化の原因はどんなことがあるのでしょうか?
それは、森林伐採や放牧、農業などが挙げられます。木材の過剰な需要における供給のために木を必要以上に切り倒すこと、牛や羊などの家畜の餌のために放牧し草を食べ尽くすこと、農耕地の拡大による森林伐採や焼き畑農業による開墾など、人々は生活のために砂漠化を助長しています。これらがすべて土地の劣化につながり砂漠化の原因になっているのです。

また、塩害による土地の劣化も原因の一つに挙げられます。
これは農業を行うとき、水を作物に送るため灌漑を行うのですが、排水をきちんと行わない灌漑では、塩類を大量に含んだ地下水面が上昇してしまい、水が蒸発してしまうと、地面には塩が残ってしまい土地を荒らします。塩類の残った土地では作物は育たなくなり、土地はみるみる衰退していき、砂漠化が進んでいくそうです。
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今、問題が深刻化している地域で、中国が挙げられます。中国は、数年前まで緑豊かな土地だったところが、人口増加により、砂漠化が進んでいるのです。
なぜ、人口が増えると砂漠化が進むのか?それは、人が増えると野菜や肉といった食料が多く必要になります。また、住まいの家を建てるため木が必要になります。ゆえに、農地の拡大や森林伐採が行われ、砂漠化につながっているのです。

これは、日本人には関係ないことでしょうか?
このお隣の中国のことを考えても、関係ないとは言えません。
私たちの普段使っている「割り箸」。「割り箸は間伐材だから、森林破壊にならないんだよ」って聞いたことはありませんか? 林野庁のデータによると、実は97%が輸入材、その大部分が中国産なのです。 現在、全国で消費されている割り箸は、 年間257億膳といわれています。 これは標準的な2階建木造住宅に換算して、およそ 2万棟分にあたる木材量です。
このような事実を知り「マイ箸」にしている人、個人だけでなく、塗り箸に変えた飲食店なども少しずつですが増えてきたように思えます。

遠い国で起こっていることも、自分の生活の中に原因がないか考えてみてはいかがでしょう。私たちの身近なところにも、できることがもっとあるはずです。

関連webサイト
UNEP
http://www.unep.org/

地球環境白書
http://www.glwwp.com/

ネットワーク地球村~マイ箸プロジェクト~
http://chikyumura.org/beginNow/myhashi.php