カーボンニュートラルな地域を目指して

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カーボン・ニュートラルは、地球温暖化防止を考えるとき最も基本となる考えといわれ、
二酸化炭素等の地球温暖化ガスの排出量を把握し、植林や自然エネルギーの利用を通じて、排出分を相殺することを意味します。私たちの生活も、このような考えに基づいて見直さなければなりません。
では、私たちはどのような生活をしなければならないのでしょうか?まずは、私たちの生活が地球にどのくらいの影響をもたらしているのでしょうか?それを把握する方法が「エコロジカル・フットプリント」です。皆さんは、この言葉を聞いたことがありますか?普段は耳にしない言葉かと思います。
エコロジカル・フットプリントとは、環境・生態学(エコロジー)と足跡(フットプリント)を組み合わせた言葉で、人間1人がその地域で持続可能な生活を送るのに必要な生産可能な土地面積(水産資源の利用を含めて計算する場合は陸水面積となる)として表わされています。
これは人間が地球環境に及ぼす影響の大きさとみることもできることから、エコロジカル・フットプリントつまり「地球の自然生態系を踏みつけた足跡(または、その大きさ)」と呼んでいます。

具体的には、まず、あるエリアの経済活動の規模を、土地や海洋の「表面積(ヘクタール)」(食糧のための農牧地・海、木材・紙供給やCO2吸収のための森林など。エリア外からの輸入物の生産に要する面積も含む)に換算します。この表面積=エコロジカル・フットプリント=そのエリアで自然環境を踏みつけている面積であり、人間の足跡(Footprint)です。
次に、その面積をエリア内人口で割って、1人あたりのエコロジカル・フットプリント(ha/人)を指標化します。
すると、エリアの適正規模(環境収容力)をどれくらい超えた経済活動をしているかが、一目でわかるという仕組みです。
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国際環境NGOの報告によれば、世界のエコロジカル・フットプリントは、2003年時点で地球の生物生産力を約25%超過し、特に日本、EU、アメリカなどの先進国でこの傾向が著しくなっています。エコロジカル・フットプリントは国際比較が可能で、土地に着目するなど直感的に理解しやすいため、環境指標として高く評価されています。

ちなみに、日本のエコロジカル・フットプリントは4.3ha/人。世界合計(公平な割り当て面積)では、1.8ha/人(WWFの「Living Planet Report 2004」より)。
世界中のひとびとが日本人のような暮らしをはじめたら、地球が約2.4コ(4.3÷1.8)必要なのです。つまり、私たち日本人は現在の経済(消費)活動のスケールを2分の1以下に戻すことが求められています。
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私たちが、ひとりひとり自分のフットプリントを見つめなおし(算出することまではできなくても)生活を見つめなおし、カーボンニュートラルな地域、国になるように、できることからはじめることが一番大切なことではないでしょうか?

関連webサイト
http://www.goingcarbonneutral.co.uk/(英語)

エコロジカル・フットプリント・ジャパン
http://www.ecofoot.jp/top.html