野生動物の危機~気候変動が生態系を変える:3

CLIMATE TRACKERS Part3.02.jpgClimate Tracker の第3弾です。1,2本目をご覧になっていない方は是非そちらもご覧ください。
今回は、インドネシアのオランウータン、北極海のセイウチ、ルーマニアのノロジカの3種が自分たちの生息環境が変化して絶滅の危機に瀕していることを訴えます。
オランウータンが、知能の高い霊長類であることは周知の通りだと思います。WWFによると過去100年間で90%も減少しています。その原因は、ペットとしての売買、干ばつ、森林火災です。
森林火災の原因特定は難しいのですが、エルニーニョ現象などの異常気象によるもののほか、熱帯林を農地や人工林に変えるための火入れなどによるものと考えられています。

セイウチは、北極海のある地域だけに生息する大きな哺乳類で、一頭が平均1トン。その巨大な体を支えるために必要な海氷が気温上昇で溶け始めています。食料の甲殻類は、浅水域に生息するため、体を乗せる海氷が必要なのですが、溶けてしまっている小さな海氷では浅水域から遠く流されてしまうという問題が。また、セイウチは泳ぎが不得手とあって、充分な量の甲殻類を食べられなくなっているのです。

CLIMATE TRACKERS Part3.03.jpgノロジカは、温暖化の影響でダニの生息地域が北の方へと拡大したことに伴う被害を訴えます。クロアシダニと呼ばれるダニは、シカや野ねずみからボレリア菌を媒介して、人に「ライム病」という感染症を引き起こすのです。

地球温暖化で、結局人間にも被害が巡りめぐってくる。引き金を引いたものを狙ってくるのです。

行動を起こすのは、今です。

CLIMATE TRACKERS Part3,01.jpg【参考サイト】
●クライメイト・トラッカーのHP。さらに情報を得たい方はご覧ください。(英語)
http://www.climatetrackers.net/

●WWF ジャパンのオランウータンに関するHP
http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/lib/orangutan/index.htm