天文学者が魅せられたインドの山奥に

ホワイトリー賞は、Whitley Fund for Nature (WFN)という世界中で自然保護活動をおこなう個人に対して寄付やサポートをおこなうチャリティー目的の基金が毎年主催している、
優れた自然保護活動をしている人への賞です。今回の番組は、ホワイトリー賞を2011年に受賞した、ラマナ・アスレナさんの活動の紹介です。

もともと星空に興味があり、天文学を30年にわたり極めてきた天文学者のラマナさん。ヒマラヤ山脈の東側に位置するアルナーチャル・プラデーシュ州(インド)の
熱帯雨林をはじめとする自然の生物多様性の豊かさに魅せられ、熱心に保護活動に取り組んでいます。アルナーチャル・プラデーシュ州は、インドの生物の種の3分の2がいるほど、生物多様性の豊かな地域。ただ、インドの中で人口密度がもっとも低いこの土地でも、急激な人口増加の影響を受け、道路やダムなどの大規模な開発が頻繁に起こるようになり、野生生物の住処が失われています。

そこで、ラマナさんはアルナーチャル・プラデーシュ州の希少な動植物を、仲間と共に2003年から調査。希少な鳥を見つけ、高速道路の計画を取りやめにしたこともあります。また、ラマナさんの活動は、地元の先住民族と一緒におこなうのが大きな特長です。一緒に活動することで、先住民族たちは生きる自信を取り戻しています。ラマナさんは動植物の保護、管理の責任を先住民族に持たせることも提案し、実行。エコツーリズム事業による、環境保護をしながら現金収入道を作る取り組みも始めています。ラマナさんの活動について分かりやすくまとまった番組を、ぜひ見てみてください。

執筆:曽我 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.ne

[関連サイト]

● ホワイトリー賞(英語)
今回の取り組みを紹介しているサイトです。

http://www.whitleyaward.org/display.php?id=173

● Ramana Athreya(英語)
ラマナさんのサイトです。
http://www.iiserpune.ac.in/~rathreya/