自転車都市~コペンハーゲンに学ぶ

newsmarket_cycling_copenhagen01.jpg気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)の開催地として注目を集めたデンマークの首都・コペンハーゲンは、自転車の利用が盛んな都市として知られています。フラットな地形は自転車の移動に適しており、街のあちこちに自転車専用道路が整備されているため自動車や歩行者と接触する危険も少なく、安全かつ快適に自転車を利用できるのが特徴です。また、日本ではあまり見られない荷台付の三輪車など、様々な形状の自転車も普及しており、自転車は、通勤・通学から買い物、レジャーに至るまで、コペンハーゲン市民にとって欠かすことのできない”足”になっています。

newsmarket_cycling_copenhagen02.jpg動画「Copenhagen – Bike City」は、そんなコペンハーゲン市民と自転車の密接なつながりをスナップショットのように紹介している動画です。通勤通学に自転車を利用している人 の割合はすでに38%以上。利用者たちは、「どこでも自転車で行けて便利」「自動車と走行場所が分かれているので安全でよい」など、自転車を活用した生活に満足感を示しています。このように、コペンハーゲンが自転車中心の社会にシフトできた背景には、自転車専用道路を設置するなどインフラ面での環境が整えられている点はもちろんのこと、市民ひとりひとりが環境意識を高め、環境負荷の低いライフスタイルへの転換に積極的に取り組んでいる点も寄与していると考えられます。コペンハーゲンでは、2015年に通勤通学で自転車が利用される割合を50%まで引き上げ、二酸化炭素排出量を8万トン削減すること目指し、自転車道路や駐輪場の整備をさらに進めていく計画だそうです。

newsmarket_cycling_copenhagen03.jpg日本でも、近年、自転車を利用する人が増えてきましたが、自動車専用道路の整備の遅れなど、課題はまだ山積しています。持続可能で環境に優しい社会を実現するためには、インフラの整備という”ハード”と人々の環境への意識改革やライフスタイルの転換といった”ソフト”の両輪をうまくかみ合わせることが不可欠。今後、日本で取り組むべき環境に優しい都市づくりにおいて、コペンハーゲンの事例から学ぶべき点は多いでしょう。皆さんもこの動画をご覧になり、「自転車を日常に取り入れるとどんな生活ができるかな?」とちょっと想像してみてください。

執筆:松岡由希子

[関連サイト]
観光客向けウェブサイト「Visit Copenhagen」のGreenコーナー(英語)
コペンハーゲンでの環境に優しい取り組みについて紹介しています
http://www.visitcopenhagen.com/green