グリーンビジネスへの指標ーTEEB

昨年10月のCOP10も、すでに開催から三ヶ月がたちました。 世界中から政府関係者、ビジネスマン、NGOメンバーが集まり 生物多様性の保全に関して、アツい議論が交わされました。その中で 注目を浴びていた国際プロジェクトであるTEEBのレポート発表。 生物多様性版スターンレビューと言われているだけに、レポートの内容が政府はもちろん、企業から 一般市民に生物多様性保全の指標の一つとして、影響のあるものになるのは必須でしょう。

さて、今回は過去にもTEEBの研究リーダー、パヴァン・スクデフ氏のインタビューを映像化しましたが さらにD1政策決定者、D2地方自治体、D3ビジネスの主任研究員たちに、それぞれの立場から生物多様性を 保全する方法や影響について、語って頂きました。 自然という見えない価値を経済的数値=お金に置き換えることに関して、色々な意見があるようですが 私たちの都市生活のベースにお金が必ずある以上、それを生み出すことにどれだけ自然の恵みの影響があるかを わかりやすくするためには、有効な方法の一つでもあるのではないかと思います。

D2の地方自治体でのレポートでは、豊岡市の水田整備によって、コウノトリが戻り、農家の収入、観光の収入など が向上し、生きものと人にとってWinWinな事例として紹介されています。 このようにあらゆる国の良い事例やアクションを起こすためのツールを紹介することによって、生物多様性の保全の推進を 進めていくのがTEEBです。どうアクションしてよいかわからない一般市民や企業の方々にとって、こういう事例は 動き出すきっかけとなるのではないでしょうか?今後、日本語化されたレポートが完成され、広く日本にも普及されることが 期待されます。

【参考URL】
●TEEB中間報告
住友信託銀行が、日本生態系協会ならびに日本総合研究所と共同で翻訳した日本語版のTEEB中間報告です。ぜひご覧下さい。
http://www.sumitomotrust.co.jp/csr/innovation/biology/index.html 
●TEEBオフィシャルサイト(英語)
http://www.teebweb.org/