祖国アイスランドへの想い~ビョークの環境保護活動~

bjork01.jpg今回ご紹介するのはアイスランド出身のアーティスト、Bjork(ビョーク)。圧倒的な歌唱力や表現力、奇抜で独創的な衣装、そしてそこから生み出される幻想的な世界観で、デビュー以来世界中の人々を魅了し続けています。そんなビョークが現在力を注いでいるのが、祖国であるアイスランドの環境保護活動。このビデオでビョークは、祖国への想いや持続可能な発展について語っています。

bjork03.jpgアイスランドは天然資源が豊富に残る国で、再生可能エネルギー(地熱や水力による電力)の先進国でもあります。しかし、その再生可能エネルギーでできた電力を利用したアルミニウム精錬所が建設されるという計画が進んでいます。その上このアルミニウム製錬所に必要な電力を確保するために、アイスランド国内では新規に地熱発電施設や水力発電のためのダムの建設が検討されています。いくら再生可能エネルギーはエコだとはいえ、地熱発電施設をたくさん作り過ぎることや、ダム建設で自然を破壊することは環境に悪影響。アイスランドは、経済の発展と自然保護の狭間で揺れています。そんな祖国を見てビョークは、こう言っています。「自分の孫が、アルミニウム精錬所だらけのアイスランドを見るなんて、考えたくないわ」。

2008年10月27日にレイディオヘッドのトム・ヨークと共にリリースしたチャリティーソング「Nattura」は、アイスランドの天然資源を考えることを目的とした団体「Nattura」の自然保護キャンペーンのために制作され、売上額は同団体に全額寄付されるとのこと。また、ビョークはアイスランドのベンチャーキャピタルAudur Capitalと「ビョークファンド」を立ち上げました。アイスランドの景気回復と自然保護を目的としながら、同国の新興企業への投資を行います。

bjork02.jpgこのように、経済成長と自然保護の持続可能性を実現するために様々なアクションを起こしているビョークですが、こうも述べています。「持続可能な成長は、経済や環境面だけでなく、道徳的にも達成しなければいけないわ。」これはおそらく、経済や環境だけでなく、人々の意識をまず変えていく必要がある、ということではないでしょうか。人々が想像力を使って、自分の行動一つひとつが地球にどのような影響を与えるか立ち止まって考えること。それが自然を守るために、一番大事なのかもしれませんね。

執筆:green writer 植村芳菜

<関連URL>
ビョークのオフィシャルサイト
http://www.bjork.com/

Naturra.info
http://nattura.info/

Audur Capitalのビョークファンド
http://www.audurcapital.is/english/private-equity/bjork/