海中以外の海洋保護

一般的には、あまり目に触れないゆえ、意識されることが少ないかもしれませんが、海面の下には、様々な動植物が広く宿っています。また、海岸線、浜辺、岩場のように、陸地と海の境界となっている場所にも、海鳥をはじめ、多くの生物が生きています。動画「Maria Island Marine Reserve – Land and Sea」では、オーストラリア・タスマニア島近くにある、マライア島(Maria Island)の美しい自然の様子を交えながら、この地域の海洋環境や動植物を保護する、海洋保護区の意義について説いています。

マライア島周辺の海洋保護区では、タツノオトシゴやエイなど、数多くの海洋生物が存在。一方、島の陸地と海を分ける海岸線や浜辺、岩場には、海鳥などの動植物が生息しています。海洋保護区は、自然環境の保護に役立っているのみならず、人々にとって、自然環境を直接学ぶことのできる貴重な場。陸地と海との境界で生活する動植物に親しみ、その理解を深める機会を提供しています。実際、マライア島では、レンジャーがガイド役となり、地元の小学生が課外授業に訪れるなど、環境教育の場として活用されています。

もちろん、これら貴重な自然環境を保護するためは、海洋保護区の設置のみならず、私たち一人ひとりの心がけが不可欠。この動画では、マライア島の浜辺を訪れた家族が、「これは、うちのものじゃないから」と、貝殻を砂浜にそっと飾って残すシーンが紹介されています。マライア島だけでなく、私たちの身近にある自然も同様。野生の動植物を傷つけたり、壊したりすることなく、自然が織り成す美しさをそのまま受け入れ、楽しむことこそ、人が自然と共存するための第一歩かもしれませんね。

自然豊かなマライア島の姿をご覧いただきながら、海、陸、そしてここに住む動植物とともに、私たち人間が存在することを、少し感じてみてください。

執筆:松岡由希子

[関連サイト]

タスマニア州の公式ウェブページ(英語)

タスマニア州の豊かな自然やこれまでの歴史などが詳しく紹介されています。

http://www.parks.tas.gov.au/