神話に隠された真実~グリーンランド捕鯨問題

exploding_myths03.jpgグリーンランドの捕鯨問題に関するNGO側の主張をまとめた映像クリップ。制作は「世界動物保護協会」というNGOと聞けば、だいたいのトーンはお察し頂けるだろう。論点は3つ。鯨問題は各地で白熱した議論を巻き起こしているが、グリーンランドやロシアなどでは、捕鯨が「原住民生存捕鯨」かどうかが大きな論点になっているようだ。つまり実施されている捕鯨は「地域の原住民が伝統的な手法で行なっている捕鯨」か「商業目的で行なっている捕鯨」かという解釈論。特に次のような論点が取り上げられている。

exploding_myths01.jpg1.「伝統捕鯨」と称して「商業捕鯨」をしているのはおかしい。
2. 鯨肉は大量に売れ残っている。捕鯨の規模を拡大する必要はない。
3. 鯨肉は外国人も手軽にスーパーで買える。これは「原住民生存捕鯨」の法則に反している。
4.「原住民生存捕鯨」に関する福祉を改善するべきだ。

exploding_myths02.jpg日本でもグリーンピース職員が鯨肉を窃盗したとして逮捕され、物議をかもしている。日本国内の世論の多数は、捕鯨自体に積極的に賛成というよりは、他の国による自国文化への干渉に反対するナショナリズム的な反応として、反捕鯨を非難するというものが多い。この鯨問題、日本ではさほど議論が深まらないが、海外に一歩出ると、「日本人としてどう考えているんだ!」と非難を浴びさせられることが多々ある。グローバルな環境問題として無視できない。日本国内でも「資源としてのクジラ」「文化としてのクジラ」「クジラ知的生物論」などいくつかの争点を整理して、議論を早急に進める必要がありそうだ。

【執筆】丹羽順子

関連webサイト
世界動物保護協会
http://www.wspa-international.org/

「で、ホントのところはどーなのよ、今の捕鯨って」
http://kujiragp.jugem.jp/
→荒れ放題で残念だが、一読に値するサイト。