フェアトレードが開く未来〜カメルーン

cameroon_cotton03.jpgのサムネール画像フェアトレードとは、生産者に対して公正な賃金を払う貿易の方法ですが、今回の番組はフェアトレードの綿花を生産している農家の人々が実際、どんな生活をしているのか、フェアトレードによってどういう風に生活が向上したのかが分かる番組です。

この番組を制作したのはFairtrade Foundation(フェアトレード基金)です。フェアトレード基金は1992年に設立されたNPOで、フェアトレードを通じて先進国と途上国のフェアな取引が広まり、途上国で持続可能な開発がおこなわれることを目的にしています。具体的にはフェアトレードマークの認証、フェアトレードの市場拡大、フェアトレードを一般に広めるためのキャンペーン活動、パートナー団体のサポートなどをおこなっています。その一環で制作されたのが今回の番組です。
cameroon_cotton01.jpg番組で紹介されているのは、フェアトレードで綿花を栽培しているアフリカ・カメルーンの村の事例です。現在カメルーンの綿の農家の1割がフェアトレードをおこなっており、フェアトレードにより普通の綿花より3割高い利益を得て、また、働きぶりに応じた評価で奨励金を受けています。具体的な事例として登場するのは3つの村。1つ目はラングイ・マホール村。フェアトレード認定から2年目を迎え、奨励金で井戸を3つ掘ることができ、それまで水汲みに行っていた頃に比べ、生活が格段に向上したそうです。2つ目は同じくフェアトレードを始めて2年目のタロ・センター。ここでは奨励金で粉ひきを買い、いつでも気軽に粉を挽くことができるようになりました。これにより、人々の食生活が向上したそうです。3つ目は、最近フェアトレードを始めたンガオリ村。最初に紹介した2つの村のフェアトレードに取り組み始める前のような状態で井戸も粉ひきもなく困窮していますが、これから頑張っていきたい、とのことです。
cameroon_cotton04.jpgこのようにフェアトレードによって状況が改善されている人々のレポートを見ると、その重要性を改めて感じます。番組の最後に出てくる将来の懸念−フェアトレードの取引が少なくなることで、村が発展できなくなる−が実際に起こらないよう、できるかぎりフェアトレードの製品を買うことが、今の私たちにできることです。まずは番組を観て、考えてみてください。

執筆:阿久津 美穂(Slow Media Works)
http://www.slowmediaworks.net

関連webサイト
● Fairtrade Foundation(英語)
フェアトレードについて、組織の活動内容などが詳しく載っています。
http://www.fairtrade.org.uk