オーガニックコットンを広げよう

organicexchange01.jpg私たちの生活のなかに正しく密着しているコットン。このコットンが皆さんが思うほどに環境にいいわけではないと言われています。従来のコットン栽培には、世界で使用されている殺虫剤のおおよそ25%、除草剤の10%以上が使用されています。それは、1枚のTシャツを作るために、150gの除草剤や化学肥料が使われることになります。

コットンは世界中で大量に使われているため、生産効率を挙げるために、農薬や化学肥料が多く使われるようになりました。多量の農薬や化学肥料は、生産者の健康に被害を与えるだけでなく、世界規模の土壌汚染の深刻な原因となっています。
このような状況を改善するには、コットンそのものをオーガニックコットン、つまり農薬や化学肥料を3年以上使用していない土地の農場で栽培された綿花を生産者はつくり、消費者はそれを購入するということが必要になってきます。

organicexchange03.jpg今回ご紹介するオーガニックエクスチェンジは、そのオーガニックコットンを世界中のサプライチェーンに広めるために設立されたNPOです。NPOといっても、その会員には、ナイキ、パタゴニア、ウォルマート、リーバイスと私たちにもなじみ深い企業が名を連ねるばかりでなく、生産者、アパレル、小売りと原材料調達から販売までの人々が関わっているNPOなのです。企業と生産者、生産者と生産者がオーガニックコットンを通じて出会えるようなプラットフォーム作りを活動としながら、一方で「organic exchange」という認証制度の管理も行っています。

organicexchange02.jpgオーガニックエクスチェンジの報告によると、この世界的な不景気のなか、オーガニックコットン市場は伸びているとのこと。世界的に普及していると見られるオーガニックコットンですが、我が国日本ではどうでしょうか?いち早くオーガニックコットンを取り入れて商品化を進めた興和株式会社の稲垣さんのお話には、日本のオーガニックコットン市場に関するデータが揃っていないとのこと。それだけ市場は盛り上がっていないことの現れなのでしょうか・・・。稲垣さんは、コットンを使う私たちが企業に声を上げれば、企業は動くとおっしゃっています。欧米でのオーガニックコットン市場の盛り上がりは、買い手によって、売り手、またその先にいる生産者、そして、地球環境も変えることができるというモデルの一つになるのではないのでしょうか。

【関連リンク】
オーガニックエクスチェンジ
http://organicexchange.org/oecms/